水のコラム
敷地内にある小さなマンホールの正体!マンホールと排水桝の違いは?【矢野】
こんにちは、水道職人の矢野です。
一軒家など、敷地内に小さなマンホールのようなものがあるお家もあるのではないでしょうか。
これは排水桝というもので、道路などにあるマンホールとは別のものです。
マンホールの管理は各自治体の上下水道下水道課が行っているため、名古屋市では名古屋上下水道局が管理しています。
マンホールから水が溢れていたり、マンホールの蓋に破損が起きている場合などは、名古屋上下水道局への連絡が必要です。
お家の敷地内の排水桝が詰まったり、水が溢れているときは、そのお家の持ち主が業者へ連絡し、詰まりなどの解消をする必要があります。
マンホールと排水桝はどのような違いがあるのでしょうか。
本記事では、マンホールと排水桝の違いについて解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
マンホールとは
道路などにある丸い蓋がついた縦孔はマンホールと言われ、マンホールを使うことで路面から地下に出入りできるようになります。
マンホールの役割
マンホールは、地下に電力や通信ケーブルなどを埋設する際に造られる、点検・清掃の際に使用される縦孔です。
人が出入りをする孔のため、人孔(じんこう)とも呼ばれています。
共同溝
地下には電気やガス、水道などの公共設備が埋設されており、それらの設備がマンホールの中にある共同溝に収容されています。
以前は公共設備は地下にそれぞれが独立して埋設されていましたが、2016年12月に「無電柱化の推進に関する法律(無電柱化法)」が施行されました。
これに伴い2018年4月に「無電柱化推進計画」が策定されたため、電気やガス、水道などの公共設備をまとめて収容するための、共同溝という建造物の設置が進んでいます。
共同溝には各種公共設備以外に、点検・管理作業を行うための空間や換気のための設備、照明設備なども造られ、維持がしやすい構造です。
共同溝は道路の掘り返し防止や災害の防止、道路空間の活用、ライフラインの確保、環境保全といった役割も担っており、共同溝が建造されている場合、マンホールの蓋に共同溝と表示がされていることがあるでしょう。
共同溝を建造することで街中から電柱を無くせると考えられており、名古屋市では2018〜2027年度までの期間を設け、無電柱化推進計画が進んでおります。
管渠(かんきょ)の維持管理
マンホールには管きょの維持や管理をするための働きがあります。
管きょには、家庭や工場などから出た汚水を汚水の処理場まで運ぶ役割があり、マンホールがあることにより、管きょの点検や調査、清掃、メンテナンスなどを行うことが可能です。
水路の総称として管きょと呼ばれますが、各水路は造られた場所によって、主に以下の名称に分かれています。
- 開渠(かいきょ):地上に造られた、蓋などで隠されていない水路のことです。
- 溝渠(こうきょ):道路の滞水を防ぐための、排水用の水路で、側溝と呼ばれることもあるでしょう。
- 暗渠(あんきょ):地中に埋設された水路のことで、下水管などを指します。
マンホールは管きょの起点や勾配箇所、合流点などに建造されており、管きょが長い場合には中間地点にも建造されるでしょう。
マンホールの蓋
マンホールの孔の上に設置されている鉄蓋は、人や動物、物の転落防止としての役割や、マンホール内への部外者の侵入を防ぐための役割として取りつけられています。
マンホールの蓋が丸い形をしているのは、四角や他の形だと、蓋がずれてしまったときにマンホール内に蓋が落ちてしまう可能性が懸念されるためです。
マンホールの蓋には、大型のトラックや重機などが上を通過しても耐えられる強度と、外れてしまわないための重量が必要なため、鋳鉄でできたものが使用されている場合がほとんどでしょう。
また、鋳鉄製は価格が安く、大量生産できるというメリットもあるのです。
マンホールの蓋は自治体や事業主によってデザインが様々で、県をイメージしてデザインされたものや、企業とコラボしたデザインもあります。
マンホールにはマンホーラーと呼ばれる、マンホールのコレクターや、マンホールを観光するために各地を回る人々がおり、ふるさと納税の返礼品にマンホールを設定している自治体もあるのです。
名古屋市のマンホールの蓋には、世界デザイン博覧会記念デザインの蓋や、アメンボデザインの蓋、下水道100周年記念デザインの蓋などがあります。
アメンボのデザインのマンホールの蓋は名古屋市の街中に多くあり、名古屋市の下水道80周年の際に公募で選ばれました。
アメンボデザインが採用された理由は、アメンボは渓流など水の流れがある水域に生息しており、水道や下水道のイメージに合っていたからです。
愛知県名古屋市千種にある「水の資料館 学習室」では、小学4年生以上を対象としたイベントを開催しており、参加者にはマンホールカードが配布されます。
マンホールカードには、名古屋市にあるアメンボデザインなどのマンホールが描かれています。
参考:公式サイト
排水桝とは
お家の敷地内にある、小さなマンホールのような形をしたものを排水桝と言います。
マンホールとは違い排水桝は人が入れるほどの大きさはなく、人の手が入る程度のサイズであることが多いです。
一般のお家にある排水桝の種類と役割
一般のお家にある排水桝には大きく分けて3つの種類があり、それぞれが違った役割をもっています。
汚水桝(おすいます)
一般的に排水桝と認識されているのが、この汚水桝です。
汚水桝の底面には排水路が設置されており、汚水桝に集まった汚水はこの排水路を通り、下水管に排出されます。
汚水桝は下水管に排水される水量を調整する機能も担っており、これによりオーバーフローが抑制されているのです。
通常、汚水桝には水は溜まっておらず、常に底面が見えている状態が正常のため、水が溜まっているときには、汚水桝の詰まりなどが考えられます。
会所桝(かいしょます)
別名トラップ桝とも呼ばれている排水桝で、排水に含まれる油や固形物などを流さないようにする働きがあるでしょう。
油など水と分離する物は、水と油などに分離して会所桝の排水の上に浮かび上がり、固形物など重さのあるものは会所桝の底に沈むのです。
下水道に水のみを排水することで、排水管の詰まりを抑制する作用があるでしょう。
そのため、会所桝には深さが求められます。
雨水桝(うすいます)
雨樋から流れてきた雨水を排水するための桝を、雨水桝と言います。
ただし、雨水の処理方法は自治体により定められている場合があるため、雨水桝を設置する際には自治体に確認するようにしましょう。
名古屋市では雨水流出抑制を行っているため、雨水桝には浸透雨水桝を採用することが推奨されています。
参考:公式サイト
外にある排水桝の種類と役割
お家の敷地の外にある排水桝には、大きく分けて2種類あり、管理者は自治体になります。
また、排水管の途中に設置しているため目にする機会は少ないかもしれませんが、泥溜桝(どろだめます)という、排水の中に含まれる泥や固形物を溜めおくための排水桝もあるのです。
集水桝(しゅうすいます)
屋外にある汚水が集まる地点や分岐する地点に設置される桝が、集水桝です。
集水桝には排水管から排水される汚水だけではなく、雨水排水管から排水される雨水も集まります。
集水桝に汚水が集まることで、ゴミなどの排水管に流したくないものを集めやすくなり、オーバーフローを防ぐ役割も担っているでしょう。
排水管の勾配がある場所や、道路・敷地の境目に設置することで、排水管の中に泥やゴミが入り込むことを防ぐ効果もあります。
接続桝(せつぞくます)
排水の流れる方向や勾配を変えたいときに、接続ますが設置されます。
複数の側溝から排水が集まる場所は排水の量が多く、接続桝を設置することで排水が溢れることを防止してくれるのです。
接続桝は、側溝や排水管などの、水路断面を変えたい場合にも設置されるでしょう。
公共桝(こうきょうます)
一般のお家から出る排水と、自治体が管理している下水管との接続部分に設置された排水桝のことを、公共桝と言います。
公共桝は最終桝とも呼ばれており、すべての排水が公共桝に集まり、下水管に流れていくのです。
公共桝の設置には条件があり、条件は自治体が設けています。
排水桝のトラブルはなごや水道職人にお任せください
排水桝のトラブルが起きたときは、なごや水道職人にご連絡ください!
なごや水道職人では、排水桝の詰まりの除去作業や排水桝の点検など、排水桝のトラブル全般の対応を承っております。
排水桝が詰まるとお家の中にある排水管から汚水が溢れてしまうことや、水の流れが悪くなることがあります。
また排水桝が損傷している場合には、本来の役割を果たせなくなり、油やゴミなどを流すようになってしまうのです。
水以外が流れてしまうと下水管の中が汚れ、排水桝周辺に悪臭が漂うようになることがあります。
悪臭が近隣まで漂うようになると悪臭公害となり、ご近所トラブルに発展する恐れもあるでしょう。
排水桝の設置年数が経過していると、排水桝の素材がコンクリート製の場合がありますが、コンクリート製の排水桝の寿命は約20年と考えられています。
20年以上経過している排水桝は壊れてしまうことがあり、排水桝が壊れると排水桝周辺が排水で水浸しになることや、排水桝周辺が陥没してしまう恐れもあるのです。
排水桝のトラブルを早急に対応することで、被害を最小限に抑えられます。
なごや水道職人では、最寄りのスタッフが、ご連絡をいただいてから最短30分以内に現場に駆けつけ、速やかに状況の確認を行います。
修理や交換はお見積もりを出した後、お客様のご承諾を得てから行うため、安心してご依頼ください。
まとめ
お家の敷地内にある、小さなマンホールのようなものは排水桝と言い、お家での管理が必要になります。
お家の外にあるマンホールや、格子のようなものがついた排水路にある排水桝は自治体が管理しているでしょう。
自治体が管理している排水桝から水が溢れているときや、破損を見つけたときには、名古屋上下水道局まで連絡をしてください。
一軒家などのお家にある排水桝が詰まってしまった場合や、損傷をしてしまった場合は、お家の持ち主が対応をする必要があります。
集合住宅の敷地内で排水桝のトラブルを発見した際は、管理会社や大家へ連絡をしましょう。
名古屋のトイレのつまり・水漏れは、水道修理の専門店「なごや水道職人(名古屋水道職人)」
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