水のコラム
お風呂のカビを予防するには?具体的な対処法を解説
夏場になると、お風呂習慣が変わってきます。これまでバスタブでゆっくりお湯に浸かっていたのに、シャワーで済ます人が多くなるでしょう。
暑いので、バスタブよりもシャワーの方が気持ちいいし、手軽に済むので多くの方がシャワーで済ますようになるのです。そうなると、お風呂掃除の方法も変わってきて、意外に早くカビが発生するようになってきます。
今回は、お風呂のカビ予防について詳しく解説しましょう。
お風呂にカビが生えるメカニズムとは?原因を解説します
家の中では、いたる所でカビが発生してしまいます。
キッチンや結露が起きるサッシ、トイレやお風呂など、中でも最も多くカビが発生する場所はやはり「お風呂」でしょう。その理由は、カビが発生する条件を満たしやすい場所だからです。
■カビが発生するメカニズム
カビは「胞子」と呼ばれる菌によって発生するのですが、この胞子は空気中を浮遊していて、一定の条件を満たすと着床した胞子が菌糸に成長し、カビとして繁殖するようになります。
この一定の条件というのが「湿度・温度・栄養」が揃うことをいいます。
つまり、空気中を浮遊している胞子が、たまたま落ちた所に湿気があり、20℃~30℃の適温で、汚れなどの栄養があればカビとして成長し、さらに繁殖を続けるというのが、カビが発生するメカニズムです。
■お風呂にカビが多い理由
では、家の中でお風呂が最もカビが多い、理由を考えてみましょう。お風呂は常に水やお湯を扱うところなので、水分が多くあります。
浴室は密閉度が高いので換気をしっかり行なわないと、高い湿度を保ってしまいます。さらに、身体を洗うことで皮脂や垢、石鹸カスなどカビの栄養となる汚れも常に存在しています。
このように、カビが発生する3つの条件である「湿度・温度・栄養」が全て揃っているのが、お風呂なのです。その結果、家の中で最もカビが発生しやすくかつ、持続しやすい場所でもあります。
■夏にカビが発生しやすい理由
お風呂では冬よりも夏の方が、カビが発生しやすくなる理由は「掃除」にあります。冬はバスタブに浸かることがほとんどなので、バスタブを洗う際にスポンジを利用します。
バスタブのついでに、そのまま床もスポンジで掃除する方が多いでしょう。このように冬はしっかりスポンジで、お風呂を掃除していることとなります。
夏になるとバスタブに浸かるより、シャワーが多くなります。この時の掃除は多くの方が、スポンジを使って床などをこすり洗いしないで、シャワーで石鹸の泡などを流す程度で終わっていることでしょう。
そうなると、しっかり汚れを落とすことができず、カビの養分が残ってしまいます。さらに夏なので、浴室の温度も20℃以上となり、床に残った少量の水にピンクカビが発生しやすくなるのです。
カビの弱点を知ればきれいな浴室を維持できます
お風呂でのカビの発生は、仕方ないことなのでしょうか?
カビが発生しやすいことは間違いないのですが、カビの弱点を知ってキチンと対処しておけば、カビが発生しないキレイな浴室を維持することが可能です。
■カビの3つの弱点を知っておこう
カビの弱点は「カビ菌に効く洗剤」「50℃以上の温度」「乾燥」の3つです。
この3つの弱点を突けばカビを退治して、キレイな浴室を維持できます。
順番としては、カビ菌に効く洗剤もしくは50℃以上のお湯でカビを除去し、浴室全体もキレイに掃除しておきます。
50℃以上のお湯は床やバスタブには有効ですが、壁面は身体にかかる可能性があるので、カビ菌に効く洗剤を利用しましょう。
浴室全体をキレイに掃除したら、ドアや窓を開けたり換気扇を付けたりして浴室を乾燥させます。
■重要なのは「乾燥」
カビに効く洗剤や50℃以上のお湯で、カビを退治してキレイに掃除しても「乾燥」が常時行われていないと直ぐにカビが発生して、いたちごっことなってしまいます。
乾燥は、窓を開け換気扇を24時間つけっぱなしにすることも大切ですが、掃除した後に乾いた布などで、水分をしっかり拭き取っておくことが重要なので、掃除専用のタオルを数枚用意しておくと良いでしょう。
お風呂のカビをキレイにとるには?方法を紹介
ここでは、お風呂のカビをキレイにとる方法を紹介します。お風呂のカビにも種類があり、簡単に除去できるカビやしつこいカビなど、種類によって対処法も変わってきます。
■ピンクカビは一晩で発生するが、掃除も簡単
ピンクカビや赤カビとも呼ばれている、ピンク色の汚れは正式にはカビ菌ではありません。「ロドトルラ」と呼ばれる酵母菌の一種で、強い繁殖力が特徴の汚れです。
シャワーをしてそのまま一晩おくだけで、翌朝には床にピンク色の「ロドトルラ」が出現しています。ただ、除去も簡単でエタノールや重曹水、市販のお風呂用の中性洗剤で洗えば簡単に取り除くことが可能です。
■ススカビは中性洗剤・重曹やクエン酸で取り除ける
ススカビとは名前のとおり「黒いスス状のカビ」のことで、排水口やシャワーカーテンに良く発生します。このススカビもお風呂用の中性洗剤で、取り除くことが可能です。
ただ、シャワーカーテンでは初期段階なら簡単に落ちますが、繊維に入り込むとなかなか取れなくなるので、こまめに掃除することをおすすめします。
排水口では、重曹2:クエン酸1の割合を排水口に投入し、コップ1杯のお湯を注いて発泡させると、高い除去効果を得られます。
■黒カビは時間をかけて除去する
カビの中でも黒カビは、最も厄介なカビです。どんなものにも根を張って発生するので、取り除くのが容易ではありません。お風呂では壁パネルのつなぎ目に使用しているゴムパッキンや、ドアの周りやレール付近のパッキンに黒カビが発生すると、除去が大変です。
よく効くのは塩素系洗剤ですが、小さなお子さんやペットのいる家庭では控えた方が良いでしょう。そこで、酸素系漂白剤をティッシュやキッチンペーパーに浸み込ませて、黒カビを覆います。
さらにその上からラップでパックして約1時間放置しましょう。その後、歯ブラシなどでこすり洗いすると、黒カビを除去しやすくなります。
カビが生えない浴室をつくるには?カビの予防方法を解説
お風呂は身体をきれいに洗って、リフレッシュする場所ですから、できるだけカビのない状況で利用したいものです。
そこで、カビの発生を防いで気持ちの良い浴室をつくる方法を解説しましょう。
■50℃以上のお湯をかけておく
風呂上がりの仕上げとしてシャワーの温度設定を50℃以上にして、熱いお湯をカビの発生しそうな場所にかけておきましょう。
カビ菌は50℃以上の熱には耐えられないので、1回5秒ほどの時間でカビ菌は死滅してしまいます。頻度は毎日でなくても大丈夫なので、週1回程度行なっておきましょう。
くれぐれも、火傷をしないように注意して行ってください。
■しっかり水気を拭き取っておく
50℃以上のお湯をかけても、そのまま放置しておくとお湯が冷めて水が溜まってしまい、せっかくの消毒が意味のないものになってしまいます。
お風呂の仕上げにお湯をかけたなら、水気もしっかり拭き取っておきましょう。掃除用のタオルを作っておくか、どうせ洗濯するのですから、身体を拭いたバスタオルを使うのも「有り」でしょう。
■換気扇はドアを閉めて24時間つけっぱなし
前述していますが、乾燥はカビ菌の弱点でもあります。お風呂の後はドアを閉めて、24時間換気扇をつけっぱなしで浴室を乾燥させるようにしましょう。
浴室に窓のある方は、昼間は窓を開けて換気を良くするとさらに効果的です。夜は防犯上良くないので、窓は閉めて換気扇で対応しましょう。
■身体を洗ったついでにお風呂も掃除
お風呂掃除は身体を洗ったついでに、裸の状態で行なうと意外にスムーズに隅々まで掃除できます。服を着ている状態で掃除する場合、やはり服が水に濡れることを気にしてしまいます。
しかし、お風呂に入り身体を洗ったあとなら、裸なので水がかかることを心配しなくて済むので、隅々まで掃除ができるメリットがあります。
まとめ
今回はお風呂にカビがどうして発生するのか、カビのメカニズムと対処法について詳しく解説してきました。お風呂はカビが発生する条件を兼ね備えている場所なので、家の中で最もカビが発生しやすくなっています。
しかし逆に発生する条件をなくしてしまえば、カビを発生させることなくキレイなお風呂を楽しむことができます。
そのためには、まずは現状のカビを取り除くことが先決です。
取り除いた後は、記事内の予防法を参考にカビの発生を抑えてみてください。
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